kikkiiのブログ

ひきこもり

「投票棄権しろ」的な意見について思ったこと

自分は選挙に行って投票するとする。その上で「投票棄権しろ」という言説を流布することは、合理的だと思う。なぜなら、投票率が低いほど自分が持っている一票の権力は高まる。そういう意味では、他人には行くなと言いながら、自分は行くべき。

でも「投票棄権しろ」という言説は、たぶん、道徳的には普遍性はない。カントが「嘘をついてはいけない」ことを正当化したやり方で否定される。

「普遍的な法則になりうるような規範に従って行動せよ」ということを信じていて、なおかつ「投票棄権しろ」と言ったとする。そうだとしら、自分も、自分自身が言った「投票棄権しろ」という道徳法則に従って行動をすべきだ。しかし「投票棄権しろ」という言説の合理的根拠は「自分だけは投票すること」だった。矛盾だ。

普遍性のある道徳に基づいて行動するべきなら、「投票棄権しろ」といいながら、自分だけは投票するという言行不一致は許されないはず。「投票棄権しろ」は、囚人のジレンマ共有地の悲劇のようなものを生むだけで、公の議論では勝てないだろう、ということを私は言いたかった。