kikkiiのブログ

ひきこもり

去年の5月のある日のことを思い出す

もう5月だ。そういえば私の誕生日は5月だ。去年の5月はまだ猫が生きていた。毎日一緒に寝ていた。

去年の5月の私の誕生日の数日前のある日、猫が突然歩けなくなった事を思い出す。

夜が明ける前ぐらいの時間、猫は私の近くで寝ていた。立ち上がって歩き始めたのを私は見ていた。後ろ足の力が入らないみたいでフニャッと潰れた。全然立てなくなった。猫がグニャグニャと前足だけで這って進む姿を見て涙が出てきた。

タオルを敷いたダンボールに猫を入れて、近くの動物病院に連れていった。徒歩で5分もかからないところにあるので、歩いていった。朝一番で診てもらうために病院が開く時間の3分ぐらい前に着いたが、すでに2、3人、受付の前の椅子にペット同伴で座っていた。

うち猫が病院にいくは初めてと言っていいくらい久しぶりのことだった。避妊手術をして以来だから16年か17年ぶりかぐらいだと思う。

ケージの中で鳴いている他の猫の声が聞こえた。うちの猫は図太いというかすごく落ち着いていた。ダンボールで連れていったのがよかったのかもしれない。

先生に爪を切ってもらっているときは、なされるがままに大人しくしていた。背中に痛み止めの注射を射ったときは先生の顔を見て「シャー」と鳴き一瞬威嚇した。チクッとして痛かった事に怒ったのだろう。可愛くて笑ってしまった。先生も笑っていた。

レントゲンを撮り、写真を見ると、腰の軟骨が潰れてしまっていて骨と骨がつくっついてしまっている状態だという事が分かった。もう歩けなくなるかもしれないと言われた。

病院から戻ってからは、私は猫とずっと一緒にいた。目を離した隙に猫がトイレまで這って歩いているのを見ると、絶対歩いてやるんだという強い意志を感じた。気高い生き物だと思った。

猫がトイレや水や食事などで動くときには、後ろ足の付け根を支えて猫が後ろ足も使って歩くのを補助してあげた。私は腰を屈めて猫を支え一緒に歩いた。

このリハビリを続けていたら、一週間で自分で歩けるようになった。すごい!私はすごい事だと思った。すごくかっこよかった。絶対に忘れない!

猫が歩けなくなった数日後、私が猫のリハビリをやっていた日は私の誕生日だった。今思えば猫とずっと一緒にいられたその時間が貰えたことは最高のプレゼントだったなと思える。